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勝手に解説『山田辰己理事のIASB会議レポート』 Part1:連結子会社の開示(2010/8/17)

【記事内容】『会計・監査ジャーナル』2010年8月号(P61〜62)
2010年5月4日に開催された、IASBとFASBの臨時合同会議では、以下の事項を注記することを検討していることがわかります。

1. 個別に重要な子会社のリストを作成すること。
2. このリストには以下の項目を子会社個々に表示する。 
(1) 名称
(2) 設立国又は所在国
(3) 所有比率(所有比率と異なる場合には、議決権比率も)
(4) 要約財務情報を含むもの
  
【勝手に解説】
私の目を引いたのが、(4)です。
重要な子会社の要約財務情報を含む情報を開示することが検討されているのです。
従来の日本の連結会計では、親会社の個別財務諸表は開示されていました。
しかし、子会社の財務諸表はほとんど開示されることはなかったと思います。
とくにグループ内で戦略的に重要な子会社の財務内容は、外部に知られたくない情報の一つだという企業は多いと思います。
しかし、この意見が採用されると、重要な子会社の財務内容が外部の目にさらされることになるのです。
したがって、この子会社の財務諸表について、同業他社や税務当局に見られても、問題ない内容やレベルのものにするなど、従来必要なかった留意点が発生すると思います。

この注記の目的は、「財務諸表の利用者が、企業グループの構成を理解するのに役立つように」と記述されています。
従来経営者のみが知り得た情報を、財務諸表利用者のためにどんどん開放するような方向性が読み取れます。

「重要な子会社」の重要性はどのレベルなのかとか、「財務情報を含む」項目とは、具体的にどのような項目なのかは、このレポートからは読み取れませんが、今後次第に具体的にわかってくると思います。
ただ、重要性については、基準は明確にはならないと思います。

まだ、この議論について合意は形成されていないようですが、今後も注意していくべき論点だと思います。


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  Part14:開示義務の明文規定がある場合には、すべて開示しなければならない(2014/5/9) 
 
勝手に解説『山田辰己理事のIASB会議レポート』
Part1:連結子会社の開示
 (2010/8/17)
Part2:概念フレームワーク
 (2010/8/23)
Part3:アメリカの動向(2011/8/23)
 
『グループ法人税制が与える連結決算への影響』
Part1:固定資産未実現に係る税効果の会計手続き(譲渡損益調整資産の取扱い)(2010/9/7)
Part2:連結法人間の寄附金に係る税効果の会計手続き
(2010/9/13)
Part3:中小特例の取扱い(2010/9/21)
 

『やさしく深掘り IFRSの概念フレームワーク』
『やさしく深掘り IFRSの有形固定資産』
『わかった気になるIFRS』
『連結経営管理の実務』
『内部統制のための連結決算業務プロセスの文書化』


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