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災害時の開示 PART3-4:三洋電機(四半期決算短信)(2011/3/29)

今回は、平成16年10月23日に発生した新潟県中越地震の際に、平成16年12月31日に終了する第3四半期について、三洋電機(株)が作成した決算短信を解説したいと思います。

以下の開示例では、災害の影響が4か所に記載されています。

@ 【当第3四半期の概況】の最終段落に、大幅な損失計上の要因の一つとして開示しています
A 【連結業績概要】の部門別売上高の段落(第4段落)−コンポーネント部門の売上減少要因の一つとして開示しています。
B 【連結業績概要】の第5段落−営業損益の減少要因の一つとして開示しています。
C 【連結業績概要】の第5段落−税前利益の減少要因の一つとして、「地震災害損失138億円」を明示しています。

以下が、実際の開示内容になります。

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  三洋電機株式会社 
  第3四半期決算短信(自 平成16年4月1日 至 平成16年12月31日)

経 営 成 績 及 び 財 政 状 態
(1)経営成績(連結)の進捗状況に関する定性的情報等

【当第3四半期の概況】
当第3四半期における世界経済は、米国や中国をはじめとするアジア諸国などを中心に引き続き景気が拡大し、原油価格の動向や原材料の高騰など不透明要因があるものの、着実に回復している状況にあります。
一方、わが国経済は、企業収益の改善など民間需要を中心に景気は緩やかに回復しているものの、IT 関連の生産調整、米国向け輸出の減速や円高・ドル安の進行など懸念材料も増大しております。
このような状況の下、デジタル景気が調整局面を迎える中で、当社はデジタルカメラやデバイス事業の競争激化や、昨年10 月23 日に発生した新潟県中越地震で、当社の半導体子会社「新潟三洋電子(株)」が被災したことによる影響などにより、第3四半期は大幅な損失を余儀なくされました。

【連結業績概要】
当第3四半期の連結売上高は、前年同期比 5.0%減少し 6,206億円となりました。このうち国内売上高は、前年同期比 3.0%減少の 3,090億円となり、海外売上高は、前年同期比 7.0%減少の 3,115億円となりました。

部門別では、コンシューマ部門は、携帯電話機やテレビなどが増加したものの、デジタルカメラの競争激化や価格下落により、前年同期比 4.0%減の3,160億円となりました。

コマーシャル部門は、大型エアコンなどの売上増加により、前年同期比 4.2%増の
550億円となりました。

コンポーネント部門は、太陽電池などの増加はあるものの、新潟県中越地震で半導体子会社が被災したことによる半導体の売上減少や、セイコーエプソン(株)との液晶事業の統合の影響などにより、前年同期比 9.1%減の2,304億円となりました。

利益面では、デジタルカメラなどのコンシューマ部門の売上減少や、新潟県中越地震で半導体子会社が被災したことによる機会損失などにより、営業利益は、前年同期比 64.4%減の 103億円となり、加えて地震災害損失138億円を計上したことにより、税引前利益は、118億円の損失、当期純利益は、176億円の損失を計上するに至りました。

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以上です。

なお、本コラム「カレント・トピックス」のPART3-1から3-6で取り上げた、三洋電機株式会社の開示資料は、以下のURLで閲覧できます。
http://sanyo.com/ir/jp/library/financialreports.html

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災害時の開示
Part1:災害時の決算処理(2011/3/18)
Part2:特定非常災害特別措置法(2011/3/28)
Part3-1:三洋電機(適時開示−地震発生から2日後)(2011/3/29)
Part3-2:三洋電機(適時開示−地震発生から約2ヶ月)(2011/3/29)
Part3-3:三洋電機(半期報告書:後発事象)(2011/3/29)
Part3-4:三洋電機(四半期決算短信)(2011/3/29)
Part3-5:三洋電機(有価証券報告書)(2011/3/29)
Part3-6:三洋電機(招集通知)(2011/3/29)
Part4:後発事象の開示事例集(2011/3/30)
Part5:法務省「定時株主総会の開催の延期」について(2011/3/30)
Part6:有価証券報告書での開示事例集(2011/4/1)
Part7:東日本大震災に関する有報での開示事例集(2011/4/4)
Part8:協会会長通牒にある『阪神・淡路大震災に係る災害損失の会計処理及び表示について』(2011/4/6)
Part9:東日本大震災の四半期報告書での開示事例集(2011/4/13)
Part10:国税庁の「災害に関する法人税、消費税及び源泉所得税の取扱いFAQ」(2011/4/18)
Part11:国税庁の法令解釈通達「東日本大震災に関する諸費用の法人税の取扱いについて」と質疑応答事例(2011/4/22)
カレントトピックス
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IFRS対応プロジェクト最前線
Part1:影響度調査での重要性(2010/10/19)
Part2:影響度調査が終わったら(2010/10/25)
Part3:グループ会計方針(2010/11/23)
Part4:影響度調査後のプロジェクト体制 (2010/12/9)
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Part7:IFRS適用時の監査対応 (2011/2/21)
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Part9:IFRS適用時期と大震災(2011/4/27)
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Part11:IFRSでの勘定科目体系(2011/5/27)
Part12:グループ会計方針での重要性の判断規準(2011/6/1)
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Part14:6月30日の企業会計審議会の議論について(2011/7/14)
Part15:IFRS適用の今後の展開予測(2011/7/14)
Part16:さまざまなグループ会計方針書(2011/8/31)
Part17:IFRS決算体制はいつから検討するか(2012/2/8)
  Part18:馬鹿に出来ない!?最初のIFRS財務諸表をアニュアルレポートで開示するメリット(2012/4/11)
  Part19:金融商品としての売掛金の開示(2012/4/24) 
  Part20:うちはどうするIFRS?(2012/6/19)  
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  Part27:J-IFRS(日本版IFRS)のねらい(2013/6/20)  
  Part28:IFRSの任意適用を拡大させる第一弾か?(2013/6/23)   
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  Part31:新指数『JPX日経インデックス400』はIFRS任意適用拡大に影響があるか(2013/12/24)  
  Part32:自民党・日本経済再生本部の「日本再生ビジョン」におけるIFRSの記載(2014/6/5)
  Part33:骨太の方針とIFRS(2014/6/27)  
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  Part35:注記情報の大幅削減が可能に!!(2015/2/9)  
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  Part37:連結決算短信での「会計基準の選択に関する基本的な考え方」の記載状況(2015/6/9)   
  Part38:IFRS適用の対応コスト(2015/6/9)     
  Part39:4つの会計基準収斂の方向性(2015/6/9)  
  Part40:IFRS財団は日本の現状をどう見ているか(2015/7/28)   
  Part41:丸紅の初度適用(短信からの初度適用)(2015/9/8)   
  Part42:単体財務諸表へのIFRS任意適用の動き(2016/9/9)
  Part43:米国基準を適用している企業の動き(2017/3/15)
  
中田版『IFRSの誤解』 
Part1:包括利益(2010/8/6)
Part2:連結の範囲 (2010/8/30)
Part3:棚卸資産会計(2010/9/27)
Part4:IFRS適用時期(2010/10/05)
Part5:海外子会社の機能通貨(2010/10/12)
Part6:収益認識(FOBとCIF)(2010/11/8)
Part7:初度適用と海外子会社のPL換算(2010/12/29)
Part8:IAS第16号の「一会計期間」は「一年」(2011/1/14)
Part9:海外子会社の機能通貨(その2)(2011/3/7)
Part10:子会社の会計方針の統一(2011/3/28)
Part11:IFRSは時価会計的でM&Aのためにある(2011/7/25)
Part12:IFRSは投資家にとっても役に立たない(2011/8/1)
  Part13:300万円ルールなどがないIFRSではすべてのリースがオンバランスになる(2014/2/24)   
  Part14:開示義務の明文規定がある場合には、すべて開示しなければならない(2014/5/9) 
 
勝手に解説『山田辰己理事のIASB会議レポート』
Part1:連結子会社の開示
 (2010/8/17)
Part2:概念フレームワーク
 (2010/8/23)
Part3:アメリカの動向(2011/8/23)
 
『グループ法人税制が与える連結決算への影響』
Part1:固定資産未実現に係る税効果の会計手続き(譲渡損益調整資産の取扱い)(2010/9/7)
Part2:連結法人間の寄附金に係る税効果の会計手続き
(2010/9/13)
Part3:中小特例の取扱い(2010/9/21)
 

『やさしく深掘り IFRSの概念フレームワーク』
『やさしく深掘り IFRSの有形固定資産』
『わかった気になるIFRS』
『連結経営管理の実務』
『内部統制のための連結決算業務プロセスの文書化』


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